沖縄県

03.伊江島のサトウキビ栽培

サトウキビの畑仕事の様子

Vol.38

Ep.3

春に行われるサトウキビの土寄せ作業(培土)。知念家では次女の沙紀さんが跡を継ぎ、元DJでバーテンダーの夫·巧さんとサトウキビ作りに励んでいます。「農家を継ぐのは絶対嫌だった」という沙紀さんですが、巧さんとの結婚をきっかけに将来のことを真剣に考えるようになり就農を決意したといいます。「ウージ」「ブーズ」「シッチャ」などとも呼ばれるサトウキビ。他の農作物と比べて強風や水不足に強く、台風や干ばつなど厳しい自然条件に直面することの多い沖縄県や鹿児島県の南西諸島では、欠かすことのできない基幹作物です。また、かつて沖縄では貢租や食料用に稲作が行われていましたが、1879年の廃藩置県以後は貢租の金納が認められたことにより、換金作物としてサトウキビを栽培する農家が増えました。さらに1888年の甘藷作付制限撤廃によって、水田をサツマイモ畑に転換する動きが増えたことで、沖縄の農業は稲作からサトウキビ·サツマイモ中心の畑作へと移り変わっていきます。1962年のキューバ危機発生以降は、砂糖価格の上昇によってさらにサトウキビ栽培が広がりました。