沖縄県
06.「あぐー」を育てる喜納農場の挑戦
Vol.38
Ep.6
豚コレラ(豚熱)の発生によってすべての豚が殺処分となった喜納農場ですが、地産地消を通じて地域を活気づけたいと喜納忍さんが始めたのが、県産の食材を用いた「チューバーサンド」をキッチンカーで販売する事業でした。「困難な状況だからこそ、地元の生産者と消費者をつなげたいという思いがあった」と語る忍さん。2021年末には沖縄で3件目となる「農場HACCP(ハサップ)認証制度」も取得します。これは喜納農場での衛生管理を向上させるため、食品衛生管理で用いられるHACCPの考え方と仕組みを畜産農場に取り入れたもの。微生物、化学物質、異物などの危害要因を防止する管理ポイントを継続的に監視·記録することで、農場段階で様々なリスクをコントロールします。「これからも多くの消費者に、豚肉だけでなく安全·安心も届けていきたい」と話す忍さん。その胸には、食卓に送り出してあげられなかった喜納農場の3012頭の豚たちのことを決して忘れないよう「2020年1月」と刻まれたペンダントが揺れています。