佐賀県

04.福富神社の白石おくんち

奉納後は地域を練り歩くのが習わし

Vol.24

Ep.04

福富(ふくどみ)神社がある旧福富町の歴史は古く、1560年代頃に地域を流れる六角川の干潟が干拓され、人々が入植したのが始まりといわれます。福富神社は元禄10年(1697年)、この地の安全や五穀豊穣を祈願して創建。以来、毎年秋にはもっとも重要な例祭である「おくんち」が行われます。

くんちといえば「長崎くんち」「唐津くんち」「博多おくんち」などが有名ですが、九州北部の神社では秋の例祭を「おくんち」「くんち」と呼ぶ習わしがあり、白石町でも福富神社だけでなく妻山神社、六角神社、稲佐神社などでおくんちが行われます。その語源は9月9日の重陽の節句にちなんで「9日」、あるいはその年に収穫されたものを神に捧げる日を意味する「供日」など諸説あり、はっきりとはわかっていません。祭りの形態は特にきまった形がないことから、収穫を感謝する秋祭りがいつしかこの地域では「おくんち」「くんち」と呼ばれるようになったともいわれています。