島根県

08.出雲大社に奉納される、東出雲町の干し柿

畑地区の干し柿作り

Vol.13

Ep.08

柿は元々、弥生時代以降に中国から持ち込まれ、その後奈良時代の 「正倉院文書」や平安時代の「延喜式」といった文献にもたびたび登場します。柿には甘柿と渋柿がありますが、じつは鎌倉時代までは全て渋柿だったそう。現在の神奈川県川崎市にある王禅寺で突然変異で生まれた「禅寺丸柿」が最初の甘柿といわれます。

昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれ、中国の薬学書『本草綱目』(ほんぞうこうもく)にも高い薬効が記載されている柿。数ある効用の中でもとりわけ渋柿に含まれるタンニンは、アルコールの分解作用が高いほか、タンパク質を固める効果もあるため、やけどなどの治療薬としても用いられてきました。また、血圧の上昇を抑える作用から、古来中国では干し柿を高血圧薬として使用、さらに最近はアンチエイジング効果にも注目が集まっています。タンニンは、老化を早める活性酸素を抑える抗酸化物質・ポリフェノールの結合体で、赤ワインや緑茶と比べて、柿渋に含まれるタンニンの量は何十倍以上ともいわれているのです。