島根県

06.神在祭でふるまわれた出雲そばと、出雲大社の御師たち

割子そば

Vol.13

Ep.06

出雲そばといえば赤い小ぶりの器にそばを盛ったイメージですが、これは江戸時代から伝わる割子そば。かつては四角い器に盛りつけていましたが、明治時代、四隅に食べかすが残ることから衛生状態の悪さが指摘され、角が立つという験担ぎの意味合いも含めて丸い器になったとか。

この割子そばは松江市が発祥とされる一方、温かい釜揚げそばが出雲大社発祥といわれます。出雲では奥の院参り(出雲大社、日御碕神社、美保神社、大山寺、一畑寺)の際、門前のそば屋で出雲そばを食べるのが庶民の楽しみでした。神在月に行われる神在祭でも、神社の周囲に屋台のそば屋が並び、体の温まる釜揚げの出雲そばを食べたそう。神々を見送る「神等去出祭(からさでさい)」にちなんで「神去出そば」あるいは「お忌みそば」とも呼ばれます。

江戸時代、出雲大社は伊勢神宮と並ぶ庶民の詣で旅の人気スポット。こうした旅をコーディネートし、宿や参拝の手配をしたのが「御師」(おし/おんし)と呼ばれる人々です。