青森県
06.津軽三味線の継承者、ライブハウスでの演奏
Vol.02
Ep.06
津軽の風土と歴史が育んできた伝統芸能、津軽三味線の豪快かつ繊細で奥深い音色。雪をも溶かす炎のような力強さと透き通る妖艶な響きは、津軽の自然を讃える音とも称されます。その特徴は、何よりもまず音量が大きいこと。義太夫以外の三味線で、ここまでの音量をもつ弦楽器はないといわれるほどです。
津軽三味線は現代的なリズム感をもち、「曲弾き」と呼ばれる超絶技巧の演奏などがあることから、近年は若手の演奏家も多く輩出し人気を高めています。かつて津軽地方では、目の見えない人はボサマ(座頭)やイタコ(巫女)になるのが習わしで、家々の軒先で三味線を弾いて歩き、米やお金をもらったとされます。こうした人たちの中で、明治の末から大正にかけて多くの名人が出て人気を高めました。
やがて、閉塞的な環境下にある若者たちが津軽三味線に意識の解放を求めるようになり、爆発的なブームに。近年は国内のみならず国際的にも津軽三味線の活躍の場が広がっています。