岐阜県

04.揖斐川の伝統漁法、鮎のヤナ漁

ヤナに追い込まれたアユ

Vol.31

Ep.04

ヤナ(梁・簗)とは、鮎やマスなどの川魚をとる漁法のひとつ。川の流れをせき止めて、木杭や竹で組んだヤナに流れ込む魚をとる方法で、平安時代以前から存在したといわれる歴史ある漁法です。網や釣りとは異なり大型の漁場を作るため、期間は地域や河川ごとに決められています。長良川・木曽川・揖斐川などの大きな河川が多い岐阜県では、昔からヤナ漁が盛んでした。川の流れに任せて魚が落ちてくるところを捕まえる漁法だけに、自然に左右されることが多いのも特徴で、それが魚という資源を守ることにもつながります。県内各地のヤナでは「つかみとりは小学生以下」など、それぞれのルールが設定されています。安全に魚とりを楽しめる川遊びの場としても親しまれ、暑い夏にヤナで涼しく遊んでから鮎料理に舌鼓を打つのは、ご当地の夏の風物詩。地元ではヤナを設営することを「簗を掛ける」といい、「揖斐川の簗掛け技術」は2016年に国の無形民俗文化財にも指定されています。