岐阜県

08.恵那市山岡町、日本一の寒天作り

夜明けとともに始まる寒天の突き出し作業

Vol.31

Ep.08

細寒天の全国シェア80%以上を誇る恵那市山岡町で、寒天の生産が始まったのは昭和初期。稲刈りが終わったあとの冬場の農閑期の副業として始まったものでした。2006年には岐阜県寒天水産工業組合によって地域団体商標に登録されています。寒天には棒寒天や粉寒天などの種類があり、製造法や原料も異なりますが、山岡細寒天は天草と水だけで作られる100%天然素材。数ある寒天の中でも特に品質が高く、高級和菓子の原料として取引されています。寒天作りは昼夜の寒暖の差が激しく、降水の少ない地域が適しているため、岐阜県の山間部の気候はうってつけでした。食物繊維が多く含まれるため、食べても太らず、体内に消化しきれず残った老廃物の排出を促し、胃腸の働きも助けてくれるなど、多くの健康効果が期待されます。現在は和菓子の材料だけではなく、寒天サラダ、寒天ラーメン、寒天ゼリーといったアレンジ食品の開発も盛ん。ちなみに寒天の語源は「寒ざらしのところ天(心太)」。材料の心太を寒空に干して乾燥するところから、この名がつけられました。