北海道

05.秋の十勝地域。ジャガイモとビートの収穫。輪作という知恵

秋の十勝の大地

Vol.06

Ep.05

秋になると十勝地域は朝晩と日中の気温差が大きくなり、国内でもいち早く紅葉が見られるようになります。

北海道の景観というと、色の異なる畑がパッチワークのように整然と並ぶ絵を思い浮かべる人も多いでしょう。じつはこれは、北海道ならではの農業形態によるもの。畑作は同じ作物を植え続けると特定の栄養分が失われ、病害虫などの発生率が高まります(連作障害)。

こうした症状を防ぐために、農家は1つの畑でいくつかの作物を毎年ローテーションで回していくのです(輪作)。とりわけ十勝地域では、「畑作4品」などといわれ、甜菜(ビート)・豆類・ジャガイモ・小麦を4年間で回すのが一般的な輪作サイクル。ビートの翌年は豆類、その翌年はジャガイモ、さらに翌年は小麦といったサイクルで植えられます。

農薬や化学肥料に頼ることなく、大地が本来もつ力を守り高めながら作物を育てる仕組み。こうした知恵から生まれた輪作体系が、北海道特有の美しいランドスケープを生み出しているのです。