岩手県

05.子どもたちの田植え体験。昔ながらの農具と農作業

子どもたちの田植え体験1

Vol.05

Ep.05

かつて田植えは主に女性の仕事で、田植えをする女性を早乙女(さおとめ)と呼びました。男性が苗を運んで田んぼに目印を付けたあと、早乙女たちが苗籠(なえかご)を腰に付けて植えていきます。腰をかがめっぱなしの辛い手植え作業は、田植機が普及したことで次第に少なくなりました。

食農教育の一環として子どもたちによる田植え体験が全国で行われていますが、昔ながらの農具を使った手植えも行われています。こうした時に用いられる伝統農具が、代掻きで平らにした田んぼに型を付ける「型付け」。縦と横の間隔を調節できるものや、軸を畦に刺して縄を伸ばし田面に真っすぐ型を付けていくものなど形状は様々です。苗束を田んぼまで運ぶ苗籠は、水切りできるよう苗束が落ちない程度に竹で粗く編まれています。

稲の生育を均一にするため、田植えは田んぼごとに1日で終わらせなければならず、昭和30年代頃までは子どもたちが手伝うために、学校も田植え休みを設けるなどしていました。