岩手県
10.「庭払い」で披露される郷土芸能
Vol.05
Ep.10
晩秋から初冬にかけ、農家では1年の作業を締めくくる「庭払い」や「油しめ」という行事が行われます。庭払いはその名の通り、収穫を終えた農機具などをしまい、農作業の場だった庭や土間を掃いて「しまい支度」をすること。そして油しめは、1年の作業の最後に、菜種などの油を絞ったことが語源といわれます。いずれも、1年間の農作業が無事に終わったことへの打ち上げのようなもの。多くの家庭で餅などのごちそうを食べたり、いつも忙しいお母さんも休んで実家に帰れたりするようなしきたり・風習です。
そして年明けの1月には農作業の始まりを告げる「野入り」「野立て」「農はだて」という行事が行われます。胆沢(いさわ)地方では「全日本農はだてのつどい」というイベントが毎年開催されており、郷土芸能の「都鳥(とどり)田植踊」、「出店(でだな)田植踊」などの披露や、日本最大級の大臼による福餅つき、重さ8トンにもなる福俵引きなどがにぎやかに行われます。