三重県
06.和具(わぐ)港の海女と郷土料理の手こね寿司
Vol.23
Ep.06
三重県教育委員会が平成24年に発表した「海女習俗基礎調査報告書」によると、平成23年には1,294人(男性の海士を含む)いた県内の海女は平成26年には700人台に。6,000人以上海女がいた戦後間もなくと比べると70年間で10分の1近くにまで減少しました。さらに海女の60%以上が60歳を超えており、ほとんどの人が兼業です。
そして海女には磯周辺の浅瀬で漁をする「徒人(かちど)」と、船に乗って沖合の深いところで漁をする「舟人(ふなど)」がいますが、高度な潜水技術を要する舟人は60人程度とさらに少ないのが現状です。これらは収穫量にも影響しており、調査が行われた年のアワビの収穫量は鳥羽・志摩全地区を合わせても約58t。
明治18年には鳥羽市答志郡だけで142tあり、その減少傾向は一目瞭然です。温暖化の影響でアワビの主食である海藻が減っていることもあり、この地域ではアワビの稚貝を放流したり、海女の出漁日数を制限したりすることで資源の保護に努めています。