宮城県
03「ささ結」の四季と米作りに懸ける思い
Vol.41
Ep.3
米作りの1年は、種籾の準備から始まります。まずは、前年の秋から保存しておいた種籾を塩水選してから消毒します。本作で紹介されている温湯消毒は、種籾を約60℃の湯に10分浸してから冷水に10分浸すというもので、農薬を使わない環境に配慮した方法として広まってきました。JA古川ではシーズンになるとJA施設内に温湯消毒機を設置し、生産者が自ら処理できる環境を整えています。消毒した種籾は一定期間水に浸して発芽を促進。播種後は温度管理に気をつけながら育苗し、ようやく田植えを迎えます。中干し、追肥、防除などを経て、生産者がもっとも気を使うのが8月の出穂の時期です。出穂時は水を切らさないよう管理し、その後は湛水と落水を繰り返すなどこまめに水を管理し、収穫まで大切に育てます。2022年『ささ王』決定戦で第6代『ささ王』となった関孝浩さんは「水管理が俺の仕事」と、米作りへの思いを口にします。
大崎市では、環境に配慮した栽培方法、玄米含有たんぱく質6.5%以下など一定の基準をクリアしたものだけを「ささ結」と認定し、ブランド化を進めてきました。『ササニシキ』の食味を求める層からの需要も大きく、産地では作付け面積の拡大に取り組んでいます。