宮城県

06朴島(ほおじま)の菜の花畑と渡辺採種場

朴島

朴島

Vol.41

Ep.6

松島湾に浮かぶ朴島は、浦戸諸島にある4つの有人島の中でいちばん小さな島です。この島で有名なのが菜の花畑。菜の花といえばアブラナ科の花全般を指しますが、朴島に咲くのはハクサイの花です。宮城県美里町に本社を構える種苗会社「渡辺採種場」がハクサイの種を採るための専用畑をつくっているのです。

ハクサイには雄株と雌株があり、ミツバチなどの虫が介して交配することで種をつくります。アブラナ科の近縁種間の交雑によって生まれたハクサイは、交雑性が強いことから品種の維持が難しく、明治時代に中国から結球種が導入された後も結球の特性が再現できずに試行錯誤が続いていました。そんななか宮城県農学校の沼倉吉兵衛さんが、松島の離島で隔離し、交雑を避けて種子を採る方法を確立。こうして生まれたのが初代「松島白菜」です。

その後、渡辺採種場の創業者である渡邉穎二さんが育種、改良を受け継ぎました。渡辺採種場は伝統のハクサイだけでなく、数々の作物の種子を世に届けています。