長野県

02.南信州の下條歌舞伎と合原皇太神宮の歌舞伎舞台

合原皇太神宮

Vol.15

Ep.02

農村歌舞伎は「地芝居」とも呼ばれ、その土地に暮らす人々が演じる歌舞伎芝居です。全国地芝居連絡協議会に所属する団体は50以上あり、その他の組織も合わせると200前後の団体が全国各地で農村歌舞伎の上演や存続活動を行っています。1960年代の調査では当時農村歌舞伎を行う常設舞台は全国に約1200ありました。

歌舞伎の中心地は上方だったため、農村歌舞伎もその周辺地域から発展。とくに数が多かったのが名古屋・三河地区、岐阜・美濃地区、そして下條歌舞伎のある南信州・下伊那地区です。江戸時代後期から明治の初めにかけ、これらの地域にはそれぞれ100か所以上の芝居小屋があり、わずか7~8戸ほどの山奥の村にまで自前の農村歌舞伎があったとか。村人をあげて歌舞伎にのめり込みすぎ、麦の種まきをほったらかしにする村まで出る熱狂ぶりに、お上からはたびたび歌舞伎禁止令が出され、明治時代には警察が取り締まるような事態もあったようです。