佐賀県
03.白石町の秋。タマネギの種まき
Vol.24
Ep.03
佐賀県は北海道に次ぐ生産量を誇るタマネギ産地。その半分以上が白石町で作られています。この地でタマネギ栽培が始まったのは昭和30年代後半。春から秋にかけて長期間出荷できるのが特徴です。極早生品種の出荷が3月中旬から始まり、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)と品種リレーは10月まで続きます。タマネギは寒さに弱いため、最大の産地である北海道では冬を越せません。そのため春に植えて秋に収穫し、冬にかけて出荷されるのが北海道産。一方温暖な佐賀県ではタマネギの苗が越冬できるため、米の収穫が終わった秋に苗を植えて冬を越し、北海道のタマネギが終わった春から出荷が開始できます。
こうした産地リレーによって、店頭や食卓には年間を通じてタマネギがあり、農家にとっても無用な産地競合を避けた安定的な経営が望めるのです。佐賀平野の土はミネラル分が豊富な重粘土質のため、白石町のタマネギは栄養価が高く、生で食べても甘くておいしいと評判です。