佐賀県
06.正月向けの冬レンコン、収穫最盛期
Vol.24
Ep.06
レンコンは非常に古い植物で、北半球の各地では白亜紀の地層からその化石が見つかっています。日本でも2000年以上前の地層から「大賀ハス」の種が発見されました。日本人との関わりも深く、美しい蓮の花は万葉集や古事記にも多く記されており、はっきりとした栽培記録はないものの、当時から蓮の根は食用に供されていました。
奈良時代の正倉院に保管されていた「東寺写経所解案」にもレンコンの記載があり、当時は高価な野菜として身分の高い貴族や皇族などが食していたようです。江戸時代には河内レンコン、岩国レンコン、加賀レンコンなど各地でレンコンの栽培が進みます。しかしこれらは現代のレンコンと異なり、食用の地下茎部が細くて粘り気の強い在来種。私たちが今食べているのは、明治時代に中国から輸入された品種の改良種です。地下茎が太いうえに収穫量が多く、在来種よりも浅い場所で生育することから栽培しやすいため、明治時代以降急速に普及しました。