埼玉県

05.さつま掘り正月と埼玉のうどん文化

さつま掘り正月にうどんを食べる文化

Vol.22

Ep.05

10月13日はサツマイモの日。江戸時代、サツマイモは蒸して食されていましたが、京都に焼きいも屋が登場。その店は焼いたイモの味が栗に似ていたことから、「栗(九里)にはやや及ばない」という意味を込めて看板に「八里半(はちりはん)」と掲げたそうです。

やがて江戸では小石川の焼きいも屋が「十三里」と名づけます。当時からイモの産地として知られていた川越が江戸から十三里(約52km)離れていたこともかけて、「栗よりうまい(九里+四里=)十三里」といういかにも江戸っ子らしい洒落。この「十三里」から「川越いも友の会」が1987年、旬真っ只中の10月13日を「サツマイモの日」と定めました。

そしてイモの収穫が終わると、川越ではうどんを食べて労をねぎらいます(さつま掘り正月)。実は埼玉県は全国有数のうどん産地。かつて水もなく荒れた武蔵野台地を耕してきた開拓者たちがサツマイモ以前に植えていたのが小麦だっため、うどんはこの地域一帯で広く食べられていました。