静岡県

05.緑茶の製造工程。蒸熱、乾燥、揉捻、精揉

製品になった茶葉

Vol.12

Ep.05

緑茶農家はよい茶葉を育てるだけでなく、それを摘み取った後、乾燥させて製品にする加工技術も求められます。緑茶はその名の通り緑色が命。収穫した生葉を蒸すことで発酵を止め、緑色をとどめます。通常は20~50秒ほど蒸しますが、この蒸し時間を倍にしたのが牧之原で生まれ全国に広まった深蒸し茶。牧之原台地は日照時間が長く、茶に含まれるカテキンが豊富です。

健康によいとされるカテキンですが、渋みをもたらします。それを和らげるために生み出された製法が深蒸し。長く蒸すことで渋みを抑えマイルドな味わいになります。その効能と味わいから、注目を集めました。蒸して冷ました茶葉は、乾燥のための揉みの工程に入ります。粗揉(そじゅう)→揉捻(じゅうねん)→中揉(ちゅうじゅう)→精揉(せいじゅう)と何段階にも分けて行われる緻密な作業。紅茶であれば乾燥機にかけて高温で一気に乾燥させますが、緑茶はこうした手間と時間をかけ、丁寧に揉み出しているのです。