栃木県

08.日光東照宮、陽明門の修復

正確さが求められる修復作業

Vol.19

Ep.08

一日中見ていても飽きない意から「日暮の門(ひぐらしのもん)」とも称される日光東照宮の陽明門。三代将軍徳川家光の命で寛永13年(1636年)に造替されて以降、屋根の葺き替え、塗装の塗り替え、そして近年は平成の大修理などを経て、創建当時の姿が忠実に継承されています。

故事逸話や子どもの遊び、聖人賢人などをモチーフにした508体もの彫刻が施された日光東照宮随一の絢爛豪華な建造物。陽明門の屋根の下には、家光の干支であり古代中国で王権のシンボルでもあった龍の頭が2段に並んでいます。

門を支える12本の柱には胡粉(貝殻をすりつぶした白色の顔料)が塗られ、「グリ紋」と呼ばれる地紋が彫られていますが、内側の2本目だけは他の柱と逆向きの紋様に。これは「魔除けの逆柱」といわれ、魔除けのためにあえて逆に彫ったものとされています。あるいはまた、建築物は「完成した瞬間から崩壊が始まる」ともいわれることから陽明門にはあえて未完の部分を残したのだ、とも。