栃木県
09.日光の冬が育んだ天然氷の文化
Vol.19
Ep.09
「天然氷」とは、湧水などの清冽な天然水を採氷池に引き入れ、真冬の寒さを利用して自然の中で作る氷のこと。冷凍庫で急速に固める氷と違い、ゆっくりと時間をかけて凍らせるため、薄く削っても溶けにくく、かき氷にしたとき口の中でふんわりやさしい食感を楽しむことができます。
しかし冷凍技術が発達した現代、わざわざ天然氷を作っているところは全国でも数か所のみ。その一つが日光の天然氷「四代目徳次郎」です。
経営者の山本雄一郎さんは元々霧降高原でレジャー施設を開業しており、その時に日光の「吉新氷室(よしあらひむろ)」の天然氷を使っていました。しかし、吉新氷室の三代目社長が高齢のため廃業することになり、存続を直談判したものの先代の意志は固く、それならと自分が継承することを決めたそうです。
吉新氷室の初代から三代に及ぶ徳次郎の意志と文化を受け継ぐ思いを込め、屋号を「四代目徳次郎」としたということです。