栃木県

10.天然氷の切り出しとイチゴの収穫

今までの苦労が実る大粒のイチゴ

Vol.19

Ep.10

年が明けてほどなく、天然氷の蔵元「四代目徳次郎」では氷の切り出しが行われます。JR日光駅にほど近い採氷池には、朝からボランティアのメンバーが集結。氷の厚さが15cmほどになると切り出す頃合いですが、自然相手のため切り出しの日が決定するのは作業の2~3日前。それでも、市内はおろか東京や関西方面からもボランティアが訪れます。採氷池に張った氷を動力カッターで切る係、切られた氷を採氷池から引き上げる係、竹でつくったラインに乗せて流す係、氷室(ひむろ)に並べていく係など、手際よく流れ作業で進められます。

一方、イチゴも収穫シーズン真っ盛り。イチゴは赤い部分が果実だと思われがちですが、外側についているツブツブが本当の果実です。赤い部分は「花托(かたく)」といって果実のベッドのような存在。元々イチゴは冬に休眠して春に花を咲かせ、5月頃に実をつける初夏の果実ですが、ハウス栽培などでイチゴに季節を勘違いさせることで早出しできるようになったのです。