東京都

06.未来を映す東京の農業

シェア畑で育つ野菜

Vol.36

Ep.6

大都市・東京の農業は、都市住民への新鮮で安全な農畜産物の提供という役割のほか、緑豊かな農地によって生活環境に潤いややすらぎをもたらし、災害時には避難場所となるなど、多くの機能を有しています。東京では、奥多摩地方の山間地から亜熱帯の小笠原諸島に至る多様な環境を生かした農業が行われており、中核をなす北多摩地区ではホウレンソウ・ニンジン・ブロッコリー・ウドなどの野菜、ナシ・キウイなどの果樹、さらには花や植木の栽培が盛んです。

東京23区部では都市の利点を生かした野菜や花などの安定出荷が行われているほか、西多摩地区は平野部で野菜・花、山間地でソバやワサビなども生産されます。南多摩地区は古くから畜産や果樹が盛ん。そして東京の島しょ部では、海洋性の温暖な気候を生かしアシタバ、キヌサヤ、サトイモ、切り花、切り葉、果物などが作られています。

東京には約6,410haの農地がありますが、都市化や高齢化などで減少を続けており、東京の農業がもつ多面的機能が発揮される街づくりの実現に向けた計画も進められています。