Vol.6 北の大地、いのちの営み ―北海道―

冬、一面が雪と氷で覆われ、白銀の世界が広がる北海道。ここには厳しい寒さを越えて生活をする人々の力強い姿があります。中でも北海道の道東と呼ばれる地域では、その広大な土地を活かした畑作や酪農が盛ん。自然と共に、北の大地ではいのちの営みが培われてきました。

Part1 プロローグ~北の大地、いのちの営み~ 北海道編(1分30秒)
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0:00~1:30 プロローグ、冬の眠りから覚める大地
北の大地、いのちの営み

日本の全耕作面積の25%を占め、もちろん農業産出量は日本第一位の北海道。今回取り上げる「道東地域」(十勝・オホーツク地域)は、さらにその半分を産出する、まさに日本の大食料生産基地です。
ここでは、小さい規模の農家が多い日本には珍しく、恵まれた広大な大地を利用しての大規模な農業や酪農が行われています。

北の大地、いのちの営み

しかしまたここは日本でも有数の寒冷地帯。土地も決して農業に適した土地ではなく、明治に始まった開拓の時代から、人々はこうした過酷な自然と闘いながら、森を切り開き、水路を作り、そしてこの大地を耕し続けてきました。
北海道の冬。すべてが凍り付く、厳しい季節。まさにしばれる寒さ。
今年もまたこの厳しい季節を越えて、また大地に挑み続ける人々の力強い姿があります。

北の大地、いのちの営み

今回はその雪解けとともに始まる、人々と自然のいのちの営みを追う北海道編をお送りいたします。

Part2 十勝平野の春 植え付けの季節(2分59秒)
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1:30~2:55 谷口農場による、スイートコーンの種まき・間引き作業
2:55~3:40 矢野農場による、メークインの植え付け作業
3:40~4:29 渡辺農場による、ビートの植え付け作業
十勝平野の春 植え付けの季節

北海道の東。大雪山系と日高山系に囲まれ、そこに流れる十勝川流域に広がるのが、今や日本最大級の食料生産地として期待されている「十勝平野」です。
ここでは東京都と千葉県と神奈川県を合計した面積 よりもまだ広い約10,831平方kmという広大な土地を生かし、大規模で機械化された生産性の高い農業や酪農が展開されています。

十勝平野の春 植え付けの季節

十勝の農業は「畑作」がメイン。最も多いのは「甜菜(ビート)」「ジャガイモ」「豆類」「麦」これらは全国でも高いシェアを誇り「甜菜」は40%「ジャガイモ」は全国の3分の1、小麦は4分の1、豆類の「いんげん」にいたっては76%が十勝産です。そのほかにもこの映像でご紹介する「とうもろこし」をはじめ、そのほかにも「にんじん」「長芋」などの野菜類も数多く栽培されています」。このパートでは十勝平野芽室の「とうもろこし」「ジャガイモ」「甜菜(ビート)」の生産者を尋ね、春の種まき・植え付けなどの様子をご紹介しています。

Part3 酪農家たちの作った根室フットパスと、酪農の仕事(3分6秒)
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4:20~5:06 根室フットパス 酪農家集団AB-MOBIT
5:06~7:21 根室市初田牛 小笠原牧場(牛)
7:21~7:35 釧路湿原
酪農家たちの作った根室フットパスと、酪農の仕事

北海道の最東端にオホーツク海に面する根室地域(根室市、別海町、中標津町、羅臼町) 根釧台地に広がるこの地域は、十勝よりもさらに厳しい環境。
夏は冷たい「海霧」が発生し、冬期、雪は少ないものの、厳しい寒さで凍結してしまうために、十勝のように大々的な畑作を行うことが出来ませんでした。
そこで始められたのが「酪農」戦前までの主力は農耕用や軍用の「馬」の生産が主でしたが、戦後の機械化で馬の需要がなくなると、乳牛を主体にした「酪農」に転換。
さらに何度かの国家プロジェクトに後押しされることで、先進的大型酪農経営が展開され、 現在ではこの地域だけで177,000 頭、一戸当たりの飼養頭数は約 130 頭という数の乳牛が飼われています。これは酪農の本場であるEU諸国の、一戸当たりの飼養頭数平均が33頭最も多いイギリスでも120頭ですから、かなりの規模。実際に全国の牛乳の1割はこの地域で生産されています。

酪農家たちの作った根室フットパスと、酪農の仕事

今では日本を代表する酪農地帯となった「根釧台地」は厳しい環境のため、畑作にむかなかったということもあり、湿地帯や複雑な地形の場所はそのままの状態で残され、貴重な動植物が生息しており、美しい景色や自然を楽しむことが出来ます。
こうした牧場や自然の中を歩くことで北海道の魅力を知ってもらおうと作られたのが『根室フットパス』。現地の酪農家たちの集団、AB-MOBIT(エービーモビット)によるものです。既存の農道や牧草地を実際に自分の足で歩きながら、雄大な北海道を体感する事ができます。

酪農家たちの作った根室フットパスと、酪農の仕事

このパートでは根室フットパスの紹介と、AB-MOBITの一員である小笠原さんの牧場における酪農の様子をご紹介します。

Part4 十勝平野の夏 メークインの収穫準備、スイートコーンの収穫・出荷と
生産者たちによる新鮮野菜の直売所「愛菜屋」 (3分45秒)
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7:35~8:23 夏の風景・勝毎花火大会
8:23~9:13 矢野農場による、メークインのチョッパー作業と矢野さんインタビュー
9:13~10:15 谷口農場による、スイートコーンの収穫・出荷と谷口さんへのインタビュー
10:15~10:38 JAめむろファーマーズマーケット「愛菜屋」
10:38~11:20 JAめむろファーマーズマーケット「愛菜屋」 スイートコーン祭り
十勝平野の夏 メークインの収穫準備、スイートコーンの収穫・出荷と
生産者たちによる新鮮野菜の直売所「愛菜屋」

真っ青な広い空に青々とした植物の緑が美しい、十勝の夏。
この時期に行われている風物詩の1つ、勝毎花火大会は北海道で最大級の花火大会と言われ、毎年大勢の観覧者を動員しています。
また芽室の農場では、春に植えつけをした矢野農場のメークインが収穫の準備、谷口農場のスイートコーンが収穫・出荷の始まる時期となりました。

十勝平野の夏 メークインの収穫準備、スイートコーンの収穫・出荷と
生産者たちによる新鮮野菜の直売所「愛菜屋」

こうして収穫された新鮮な野菜がずらりと並ぶ、「JAめむろ」ファーマーズマーケット「愛菜屋」。元々小さな無人の直売所から始まったこの愛菜屋には、『新鮮で安全な野菜を食べて頂きたい』との生産者の思いから、各農場で朝一番に採れた野菜がそれぞれの生産者の手で直接運び込まれています。

十勝平野の夏 メークインの収穫準備、スイートコーンの収穫・出荷と
生産者たちによる新鮮野菜の直売所「愛菜屋」

またこの愛菜屋では、季節ごとに旬の野菜を取り上げたイベントも開催。映像では、スイートコーンを育てて運んで来た谷口さんも参加された、「スイートコーン祭り」のイベントの様子がご覧いただけます。

Part5 牧草地のロールケーキ(45秒)
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11:20~12:05 酪農 伊藤牧場
Part5 牧草地のロールケーキ(45秒)

初夏から秋にかけて、牧場ではまるでロールケーキの様な形にまとめられた牧草、『牧草ロール』を目にすることができます。
いまでは北海道の代表的な景色の1つとなった『牧草ロール』。正式には「ロールベールラップサイロ」と言われ、牧草を専用の大型機械で直径約1.5メートル~2メートル程度にまとめ、ポリエチレンのラップでロール状にくるんだもの。もちろん牛達が食べる飼料になります。しかしこれは単に保管のためにこの形になっているわけではありません。

Part5 牧草地のロールケーキ(45秒)

牧草も刈り取られた時は「生もの」これを長期保存食とするためには「発酵」させて腐敗の原因となるかびや菌類の活動を抑えることが必要なのです。(みそなどの発酵保存食と同じ原理です)これが「サイレージ化」最近までは牧場のランドマークともなっていた「塔型サイロ」でこれを作っていましたが、「塔型サイロ」は建築や維持に費用が掛かることから、最近はより手軽に、「サイレージ化」できるこの方式やコンクリートで作った囲いで作る「バンカーサイロ」などで牧草や飼料を発酵させているのです。

Part5 牧草地のロールケーキ(45秒)

トラクターで大きな牧草ロールを作る様子を、映像でご覧下さい。

Part6 学生とつくるフットパスの景色(2分6秒)
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12:06~14:11 専修大学のみなさん(フットパスの手伝い)
学生とつくるフットパスの景色

酪農家集団AB-MOBITが開催している、別当賀地区のフットパスのコース整備をするワークショップ。ここに、専修大学経済学部国際経済学科の泉ゼミ生が参加しました。
このゼミ合宿では映像でもご紹介しているキッシングゲート(小開き門)づくりなどを通して、身をもって自然と人の共生を体験する事を目的にしています。
もちろんフットパスは、誰でも歩けて楽しむ事ができます。それだけでなく年間を通じて「ウォーキングツアー」や「ワークショップ」が開催されていますので、是非根室フットパスのホームページでチェックしてはいかがでしょうか?

学生とつくるフットパスの景色

ところで酪農家集団AB-MOBITとは根釧台地「厚床」から「別当賀」に広がる5つの牧場「村島牧場」「小笠原牧場」「馬場牧場」「伊藤牧場」「富岡牧場」が集まって出来た酪農グループ。生産者と消費者が直接交流し、酪農の重要性や、この土地のすばらしさを伝えるために、今回ご紹介した「フットパス」だけでなく食を通して農産物や酪農を学ぶことができる農業加工体験館「食多楽(くったら)」(小笠原牧場内)おしゃれに手軽に牧場の雰囲気を楽しめ、酪農体験も出来る「酪農喫茶 Grassy Hill」(伊藤牧場内)こうした酪農アクティビティの宿泊拠点ともなる「築拓キャンプ場」(富岡牧場内)など、様々な活動を行っています。

Part7 十勝平野の秋 収穫の季節と砂糖づくり(3分59秒)
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14:11~14:53 秋の十勝LANDSCAPE
14:53~16:00 矢野農場による、メークインの収穫
16:00~17:17 渡邊農場による、ビートの収穫
17:17~18:10 日本甜菜製糖株式会社
十勝平野の秋 収穫の季節と砂糖づくり

十勝平野の秋は朝晩と日中の気温差が広くなり、いち早く紅葉を見られるように。 芽室の農家ではメークインや「てん菜」(ビート)が収穫の時期となります。
さて映像にある「てん菜」と「ジャガイモ」を収穫した畑。来年はどうなるでしょうか?
実は畑作は水田と違い同じ作物を植え続けると、特定の栄養分が失われ、また害虫などの発生の確率も高まることから、いくつかの作物をローテーションまわしていく「輪作」が行われています。十勝平野では「畑作四品」といって「てん菜」「豆類」「ジャガイモ」「小麦」4年間で回すのが一般的。今回「てん菜」が植えられた畑には、来年は「豆類」が、そして「ジャガイモ」が植えられた畑には「小麦」が植えられます。こうして大地のチカラを守りながら作物を育てて行くのです。そしてこの輪作があの北海道特有のパッチワークのように色の違う畑の並ぶ美しいLANDSCAPEを作っているのですね。

十勝平野の秋 収穫の季節と砂糖づくり

そしてこのビートを使用して作られるのが砂糖。日本甜菜製糖株式会社の製糖工場では、秋から冬にかけて砂糖の製糖が行われます。
元々は大正8年(1919年)に設立された北海道製糖株式会社と、大正9年(1920年)に設立された(旧)日本甜菜製糖株式会社。この2社が統合されて北海道興農工業株式会社となり、その後昭和22年(1947年)に現在の日本甜菜製糖株式会社と改称されました。

十勝平野の秋 収穫の季節と砂糖づくり

映像でもご紹介しているいくつもの工程を通して作られた砂糖は、家庭用として主に北海道で販売されている他、チョコや菓子、飲料類などを通して全国に届けられています。

Part8 牧場の冬支度(1分39秒)
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18:10~19:49 小笠原牧場による、牛の角切り 牛舎の草播き 牧草地への牛肥まき
牧場の冬支度

実りの季節となった秋の十勝平野。
牧場では、冬に向けての準備が始まります。

牧場の冬支度

そのうちの1つが、このパートの映像でもご紹介している牛の角切り。これは、角によって同じ牛舎内にいる他の牛や人を傷付けてしまうことを避けるため、牛がまだ若いうちに角を取り除くことを言います。これで冬の寒い期間中、牛舎に群れでいても安心です。
(『牛の角切り』について、撮影ノートvol.13と合わせてお楽しみください。)

Part9 中山間地域に受け継がれる、伝統文化と豊かな農村景観(2分40秒)
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19:49~20:18 北海道の冬
20:18~21:18 アイススケートリンク
21:18~21:57 小笠原牧場
21:57~23:17 エンディング
中手作りアイススケートリンクと、牛と共に越す酪農家の冬

再び季節は巡り、一面が白銀の世界となる、北海道の冬。
厳しい寒さと雪に閉ざされたかの様に見える冬ですが、北海道ならではの風景や魅力に会うことができるのもこの季節です。

中手作りアイススケートリンクと、牛と共に越す酪農家の冬

この時期雪の積もった小学校の校庭では、子供たちは遊ぶことができません。
そこで映像でもご紹介している芽室南小学校を始め、十勝では、親が子供たちのために校庭の雪を均しながら毎年手作りのアイススケートリンクを作っています。これで子供たちは、外に出て思いっきり遊べるように。楽しそうな笑顔と声が辺りに響きます。
(『手作りアイススケートリンク』について、撮影ノートvol.12と合わせてお楽しみください。)

中手作りアイススケートリンクと、牛と共に越す酪農家の冬

このような冬の、マイナス20℃になる厳しい寒さの日も、もちろん酪農の仕事は続きます。
春や夏のように飼料づくりのための畑仕事などはありませんが、牛たちの搾乳は1年365日1日たりとも休むことは出来ません。私達の飲む新鮮でおいしい牛乳や乳製品は、こうした酪農家の人々の毎日に支えられているのです。

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