秋田県
05 手仕事の誇りが繋ぐ伝統の「いぶりがっこ」
2日以上かけて丹念にいぶし続ける
Vol.44
Ep.5
冬の気配が色濃くなる11月。秋田の伝統を守るいぶりがっこづくりが始まります。大根を洗い、編んで吊るし、煙の中でいぶすこと丸2日半。最も難しいのは熱と煙の加減です。強すぎれば真っ黒に焼けてしまうため、いぶしている間は夜中でも3〜4時間おきに火の様子を確かめます。その後、いぶし終えた大根は樽や桶の中に入れ、ざらめや米ぬか、塩を合わせ、1か月ほどじっくりと発酵させます。
「同じ分量や環境で漬けたとしても、つくる人で味がまったく変わる」と語る髙𣘺トシさん。担い手不足という厳しい現実に直面しながらも、トシさんは「おいしいと喜んでくれるお客さんが増えるのがいちばん嬉しい。動ける限りはつくり続けたい」と微笑みます。
火と、風と、待つ時間。手間の多い仕事だからこそ、後継者の確保がなかなか難しいという課題を抱えます。それでも、そこには簡単に替えのきかない手仕事の誇りがみなぎっています。



