熊本県
01.日本一のイグサ産地・八代平野。熊本城の本丸御殿大広間の畳
Vol.10
Ep.01
畳の原材料であるイグサは、畳表(たたみおもて)と呼ばれる表面部分の重要な素材。日本で作られる9割以上が熊本県産で、そのほとんどは八代市周辺で栽培されています。
しかし、江戸時代までは細川藩がイグサを「お止草」として一部の村のみの栽培に限定したため、この地でイグサ生産が本格化するのは昭和40年代以降のこと。まさに高度成長期の建築ラッシュに伴い、畳需要が激増していました。元々南方系の植物で、水田を利用した稲との二毛作が可能なイグサは、八代平野で急速に面積を拡大。昭和30年代には1000haにも満たなかったのが、平成元年には6000ha以上にまで増えました。
熊本城では、築城400年を記念して平成20年に完成した本丸御殿に、熊本の材料で熊本の職人たちによって畳敷きの大広間を復元。平成28年の熊本地震では昭君之間の床が沈下し、各広間の壁が剥がれ落ちるなどの被害がありましたが、復旧作業が進められました。