熊本県
08.夏から秋へ。イグサの苗取りと株分け、植え付け
Vol.10
Ep.08
イグサの栽培は、苗を育てるところから始まります。12月に苗畑に植えられたイグサは冬の間枯れたような茶色をしていますが、多年草のため枯れることはなく、翌年の8月まで苗畑で育てられます。
その後、苗床田と呼ばれる水田に植え替え。これは、生育中のいぐさ株を分けて増やすための工程です。苗畑で新芽を出して株を増やした苗を、一旦畑から抜いて泥を落とし、そのいぐさ株にできた新芽を小分けにして増やしていくのです。
ここで分けられたいぐさ株を中間育成用の水田に植え、最終的に収穫する数が確保できる株になるまで育成。苗が植えられてから1年後の12月、大きな株になったら苗床田から引き抜き、再び小分けにして、いよいよ収穫に向けた育成を行う本田に植えていきます。
実に最初の植え付けから刈り取りまで1年半。イ草農家の手によって、長い時間と手間をかけ、大切に育てられていくのです。