長野県
05.蕎麦の収穫と伝統の地芝居、下條歌舞伎本番
Vol.15
Ep.05
下條村は明治時代、近隣にあった小さな村々の粒良脇、親田、北又などが合併してできました。それぞれの村には独自の農村歌舞伎があり、江戸時代中期以降300年以上にわたって継承されてきました。戦後も1950年代半ばまで活動を続けていましたが、60年代以降、各地域での存続が困難となり、1971年に下條歌舞伎保存会として統合、再スタートします。
下條歌舞伎の特徴は、年長の団員に交じって若いメンバーが数多く参加していること。中学生による歌舞伎同好会もあり、積極的に次世代を育成しています。様々な世代が入り交じる下條歌舞伎は、村人たちの活力源であり、世代間コミュニケーションの場という農村歌舞伎が本来もつ役割を今なお忠実に担っています。下條歌舞伎のような取り組みが契機となり、民俗芸能のもつ力を地域活性化の重要な源泉ととらえ、一度は消滅しかけた農村歌舞伎・地芝居を復活させようというプロジェクトが、全国各地で進められています。