埼玉県

03.唐子神社の夏祭りと東松山市の獅子舞

下唐子獅子舞

Vol.22

Ep.03

東松山市の夏祭りは、旧松山宿の総鎮守として創設された氷川神社(後の松山神社)の末社である八雲神社で、悪霊除けを願って執り行われたのが始まり。各町内から神輿が渡御して山車が繰り出し、2日目にはこれらが集まって競演します。

東松山市は獅子舞が盛んな地域でもあります。五穀豊穣の祈願のほか、悪病退治や雨乞いなどの意味をもつ獅子舞ですが、地域によっていわれは異なります。

たとえば「雌獅子隠し」という獅子舞は、ある地域ではオカザキ(花笠など)が雌獅子を囲むように舞い、隠れた雌獅子を雄獅子(ナカジシなど)と法眼(大頭など)が奪い合うという内容。一方で雌獅子を太陽に見立てて太陽を隠す雨乞いの様子を表している、と解釈する地域もあります。

同様に「あめくれ」という獅子舞は、「飴」をあげるから雌獅子を私に譲ってほしいという意味のほか、「雨くれ」と読んで雨乞いの様子を表しているとも。

舞の意味や物語性、道具や設備などの違いから地域の歴史や特性がうかがえます。