鳥取県

05.倉吉町、二十世紀梨の収穫

二十世紀梨の収穫  

Vol.26

Ep.05

ナシは日本原産の果物で、『日本書紀』にも栽培の記録があります。江戸時代の「諸国産物帳」には当時すでに100品種もあったことが記載されており、その後も品種改良が続けられました。鳥取県の代表品種である二十世紀梨が誕生したのは、明治21年(1888年)のこと。千葉県松戸市に住んでいた13歳の少年が、ゴミ捨て場に生えていた小さなナシの苗木を発見し育てたところ、10年後に初めて成熟した果実がつき、後に「二十世紀梨」と命名されました。全国各地でその苗を受け継いだ一人に鳥取の農家がおり、中山間地でも栽培できる作物として注目されたことから県内で栽培が広がります。大正期、全国の二十世紀梨産地が黒斑病という病気によって壊滅的な打撃を受ける中、鳥取の生産者は「鳥取県二十世紀梨黒斑病防除組合連合会」を組織するなど県内で団結して立ち向かいました。その後も栽培方法の改良などたゆまぬ努力を重ね、鳥取県の二十世紀梨は全国生産量の約80%を占めるまでに成長しました。