鳥取県

06.智頭町板井原集落の「板井原ごうこ」、新田の人形浄瑠璃

伝統的建造物群保存地区「板井原集落」

Vol.26

Ep.06

智頭町の板井原(いたいばら)川沿いにある板井原集落は、江戸時代から昭和初期に建てられた伝統的な建造物が細い路地に軒を連ね、日本の山村集落の原風景ともいわれています。平家の落人の隠れ里として伝えられ、炭焼きや養蚕、畑作、林業などが営まれていましたが、1967年のトンネル開通で急速に過疎化が進みました。六尺道と呼ばれる車の通れない細い生活道が現在も主要な道路で、多くの家屋がこの道沿いに建てられており、昭和30年代の山村の風景を残す貴重な存在として2004年に県の伝統的建造物群保存地区に選定されました。この集落の山焼きした畑でかつて栽培されていた伝統野菜が、長さ10~15cmの板井原大根です。伝承のたくあん漬「板井原ごうこ」の材料であり、現在はその味の復活に励む「板井原大根振興会」が栽培しています。また、智頭町新田(しんでん)には、明治初期に巡業でこの地を訪れた淡路の人形浄瑠璃がもとで始まった「新田人形浄瑠璃芝居相生文楽」が、今なお継承されています。