愛媛県

09.段畑の歴史とジャガイモの収穫

遊子水荷浦の段畑 ジャガイモの収穫

Vol.11

Ep.09

最大傾斜46度、海抜80m。「耕して天に至る」とも称される遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑は、幅1m、高さ1.5mほどの石垣がはるか山頂まで続いています。見る人を圧倒する壮観な造形美は、急峻な斜面を人々が苦労して切り開いてきた歴史の重みそのもの。眼前に広がる宇和海の美しさもあいまった日本の絶景です。

遊子水荷浦の段畑は、2007年に全国で3例目となる「国の重要文化的景観」に選定されたほか、「美しい日本のむら景観百選」にも選ばれており、景観の保全活動を続けている「段畑を守ろう会」は「ふるさと愛媛創造賞」を受賞しています。同会では50aの荒地を行政の協力を得て整地し、花やジャガイモなどを植えるほか、オーナー制も導入。毎年4月初旬には「ふる里だんだん祭り」(方言で「ありがとう」を意味する「だんだん」と「段畑」をかけて)を開催しています。

2002年からは遊子水荷浦の段畑の整地をシルバー人材センターの事業としても行っており、地元有志が結集して郷土の景観を守る取り組みを続けています。