長崎県

02.長崎市茂木(もぎ)地区のビワ。産地の歴史と生産農家

茂木地区 千々町 森果樹園

Vol.39

Ep.2

江戸時代からビワ栽培の歴史を持つ長崎県。気象条件に大きく左右されるデリケートな果物ですが、海に囲まれ、温暖な気候に恵まれた環境が栽培に適し、日本最大のビワ産地を形成しています。県を代表するブランド品「茂木びわ」の栽培の始祖は、江戸から明治を生きた三浦シヲという女性。茂木村(当時)に生まれ、行儀見習いとして代官屋敷に奉公していた頃、中国から贈られたビワの種子をもらい受け、大切に育てたのが「茂木びわ」の原木とされています。その後、茂木地区を中心に多くの人々によって広がり、やがて県内に広まります。1934年に建立された茂木枇杷原木記念碑には茂木びわを広めたシヲの名が刻まれ、地域で大切に語り継がれています。長崎市の南東部、橘湾に面した地域の海岸線は急斜面にビワの段々畑が続く、まさに“びわ街道”。その南に位置する千々(ちぢ)町は県内のビワ生産量の約半分を占める主産地です。親子4代、150年の歴史を持つ森果樹園は、「茂木びわ」の起源間もない頃からこの地でビワを作り続けてきました。