和歌山県

03.熊野那智大社の火祭り。湯浅町の金山寺味噌

那智の火祭りの様子1

Vol.09

Ep.03

熊野本宮(ほんぐう)大社、熊野速玉(はやたま)大社とともに熊野三山の一つに数えられる熊野那智(なち)大社。一の滝と呼ばれる那智の滝を神とする自然崇拝から起こったとされる社です。

ここで毎年7月に行われる那智の火祭りは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている日本三大火祭りの一つ。熊野権現と呼ばれる十二体の扇神輿(おうぎみこし)を松明の火で清め、熊野那智大社から御滝へと渡御(とぎょ)する神事で、正式には扇祭、扇会式といいます。重さ約50kgの燃え盛る松明を運ぶのは、白装束に烏帽子姿の氏子たち。急な石段を練り歩く様は迫力に満ち、毎年多くの観光客で賑わいます。

一方、かつては穀物などを麹で発酵させて塩漬けにすることで、腐りにくくするための保存食だった味噌。湯浅町の名物・金山寺味噌もまたこうした保存食としての「食べる味噌」ですが、醤油の起源はこの金山寺味噌の製造過程で偶然できたもの。つまり醤油のルーツは金山寺味噌という説もあります。