和歌山県

07.神倉神社のお燈祭り。湯浅の醤油

お燈祭りの様子1

Vol.09

Ep.07

熊野速玉(はやたま)大社の飛地境内摂社・神倉神社で、神社のご神体として祀られているゴトビキ岩。地域の言葉でガマガエルを意味します。山上のゴトビキ岩に続く538段の急峻な石段は源頼朝が寄進したとされ、冬のお燈祭りでは白装束の男たちが松明を手にこの石段を一気に駆け下ります。

一方、湯浅町で始まったとされる醤油醸造。金山寺味噌の製造過程で生まれた液体がいつから醤油という商品になったのか正確な記録は残っていませんが、室町時代後期の1500年代には湯浅から醤油を大阪方面に出荷した記録があり、他地域でこれより以前の醤油に関する記録は出ていません。

天保12年(1841年)創業で、当時の味を守る「角長」や金山寺味噌の「太田久助吟製(おおたきゅうすけぎんせい)」。この醸造蔵は湯浅町の北町通りに面し、この通りを中心とした湯浅町の旧市街は、2006年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。醸造蔵や厨子二階(つしにかい)、江戸期の町家建築など、醤油醸造が盛んだった往時の町並みを今にとどめています。