和歌山県

08.初詣と南紀名物さんま寿司。梅の木の剪定

さんま寿司

Vol.09

Ep.08

この地で「さえら」とも呼ばれるサンマは、紀南地方の冬の味覚。とりわけ「さんま寿司」はお正月の名物です。通常サンマは初秋から秋にかけ、北方の海より太平洋沿岸を南下してくる魚。それを北海道沖や東北沖などで捕えたものが食卓に上がるため、秋の味覚として定着しています。このサンマがさらに南下し紀州沖までやってくるのは、すでに冬も近い晩秋。そのため紀州では冬の魚とされているのです。

その食べ方は一般的な塩焼きではなく、さんま寿司(押し寿司)。実はこの時期に紀州沖まで来るサンマは、産卵期も過ぎて脂が落ちており、小ぶりで塩焼きには向きません。しかしそれが逆に寿司ネタとしては好適で、さんま寿司は不要な脂分が抜けているため、くせのないさっぱりとした味わいになるそうです。

熊野地方の「なれずし」も、酢を使わずにサンマを塩漬けしてから飯にのせ、シダの葉などにくるんで自然発酵させたもので、これが寿司の原型という説もあります。