和歌山県
05.熊野速玉大社、秋の例大祭。あらぎ島の稲刈り。二川歌舞伎芝居
Vol.09
Ep.05
熊野速玉(はやたま)大社で毎年秋に開催される例大祭は、国の重要指定無形民俗文化財。神職や氏子たちが神輿をかついで町内を練り歩く神馬渡御(しんめとぎょ)と、御船島の周りを早船が競って回る御船祭(みふねまつり)が行われます。1800年以上の歴史をもつ御船祭では、船を漕ぐ男たちの「やっさ、やっさ」というかけ声が熊野川に響き渡ります。
そして、あらぎ島は稲刈りの季節。この棚田ができたのは江戸時代初期の1655年、徳川家康の十男である徳川頼宣が徳川御三家の一つとして紀州藩をおいた数十年後のこと。当時、藩の財政はひっ迫しており、新田開拓などで積極的な人材登用が行われました。その中に、あらぎ島を作った笠松左太夫という庄屋がおり、彼は自費で13ヶ所もの用水路や池を整備。山間の地にあらぎ島を含めおよそ9万㎡もの新田を切り開いたのです。
また、城山西小学校では子どもたちが半年以上練習してきた二川(ふたがわ)歌舞伎芝居「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」の発表会が開かれます。